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【提言】医工連携のモデル-米国シリコンバレーにおける医療機器開発

3. EMERGENTにおける見学

投資企業がEMERGENT Medical Partnersというオフィスを構え、いくつかの開発に投資しているが、対象となるテーマは、幅広い。整形外科、ICU関連、診断関連、外科ツール、心臓血管系、放射線腫瘍学、透析、痛みのコントロールなどである。投資のチームとしては、Thomas Fogarty,Allan May, Robert Brownell, Noboru Ohruiの4名である。進行している開発の中には、MDの先生が臨床を離れて開発に集中している方もおられた。

 

4. 今回のシリコンバレー見学でのまとめ

シリコンバレーにおける医療技術の開発の仕組みと人材育成を見学して、医療技術開発で重要視されている点は以下のようである。

  • 臨床現場における医療ニーズが医療技術開発の出発点である。従って、医療機関の中に開発現場をおき、医療ニーズの掘り起こしを容易にできるような環境が必要である。
  • アイデアが重要である。斬新なアイデアを出すためには、そのトレーニングと環境整備が必須である。
  • 医療ベンチャーとして立ち上がるためには、レギュラトリーサイエンスやマーケテイングのエキスパートが適切な助言をできるような体制が必要である。
  • 最も重要な点は、開発チームを多面的な視点から指導できるリーダーの存在である。Fogarty先生は、優れた臨床の医師であると同時に技術と事業化に関しても見識をもっておられ、マルチな能力をもっているリーダーの存在が成功の条件である。
  • FIIは、複合領域による医療機器開発の極めて優れた仕組みを構築している。今後、医工ものつくりコモンズの活動として、FIIの仕組みを参考にするべき点が多いと思われる。

以上

更新日:2012/05/22