生物を構成する多種多様な器官は、それぞれの機能を実現する独自の形態を有する。特に、発生過程における上皮組織の変形(上皮の形態形成)では、2次元的な上皮細胞シートから3次元的な形状が生じるため、面外変形が重要となる。形態形成における面外変形は、主に、陥入現象として知られ、神経管や原腸、眼杯といった器官の形成過程で観察される。また、陥入現象には、細胞増殖、細胞移動、細胞収縮など、力学的な影響を及ぼす細胞活動が重要な役割を果たし、これら力学的な影響を及ぼす細胞の配置には、空間的なパターンが存在することが知られている。
本講演では、力学的な活動を行う細胞群の空間パターンと陥入現象との関係を題材に、これまでに我々のグループで取り組んできた多細胞力学シミュレーションを紹介する。本シミュレーションによって組織変形の生じる過程を細胞レベルの力学から捉えられることができるようになり、上皮形態形成に対して、力学的な観点から迫る新たな理解について述べる。
◆日 時 2018年11月9日(金)18:00~19:00
◆会 場 じばさんびる 5階 502会議室
(姫路市南駅前町 123 番)
◆参加費 無料
◆主 催 公立大学法人兵庫県立大学 先端医工学研究センター
【講師】
京都大学ウィルス・再生医科学研究所 准教授
井上 康博( いのうえ やすひろ )先生
「上皮形態形成の理解を目指した多細胞動力学シミュレーション」
◆詳細はこちらをご参照ください。
【お問い合わせ先】
兵庫県立大学先端医工学研究センター
TEL:079-287-6512 FAX :079-287-6513
e-mail : info@amec-hyogo.org
更新日:2018/11/01