REDEEM –医療工学技術者創成のための再教育システム

【投稿者:山口隆美(東北大学大学院医工学研究科医工学専攻教授)
 東北大学では、平成16年度から5年間、文部科学省科学技術振興調整費の援助を受け、「医療工学技術者創成のための再教育システム」(REDEEM)のタイトルのもと、社会人技術者に対する医学・生物学・医工学の再教育プログラムを実施してきました。幸い、この再教育システムは産業社会からの賛同をうけ、計画通りに実施され、大きな成果を挙げることができました。
 東北大学ではこのREDEEM事業の実施中に、そのメンバーを中核とする文部科学省グローバルCOE「新世紀世界の成長焦点に築くナノ医工学拠点」プログラムが採択されて発足し、また、平成20年度からは我が国初となる大学院医工学研究科を設置することができ、我が国における医工学研究・教育の中心として活動するための基礎が形成されました。
 そこで、REDEEM事業も、これらの基礎のうえに再出発を図り、医工学に関する大学院教育と密接に関連した社会人再教育プログラムとして第2期の事業を開始し、第1期における経験に学び、さらに充実した再教育プログラムを実施しています。

REDEEMの教育目標

REDEEMでは、次の4つの目標を掲げています。

  1. 産業社会の第一線において、研究・開発にあたっている社会人技術者に対して、生物学・医学・医工学の基礎教育を行い、医療工学産業を創成できる人材—医療工学技術者を創り出します。
  2. 創成される医療工学技術者は、医療の実践現場において、医師・医療従事者と対等なパートナーとして医療工学の技術開発・研究にあたります。
  3. 網羅的な知識ではなく、生物学・医学・医工学の考え方のエッセンスを、工学技術の言葉・体系で伝え、研究・開発の自律的発展の基礎とします。
  4. 空理・空論を排し、実験・実習を通じ、経験に裏付けられた知識と技術の獲得を目指します。

更新日:2012/06/11